【日本株】パニック売り一巡も、円高が重しとなり戻りも限定的。外国人投資家が戻ってくるまで我慢!
先週は、7月31日に日銀の金融政策決定会で利上げに踏み切ったことと、さらなる政策金利の引き上げに含みを持たせた植田総裁の発言がきっかけに、米ドル円は急激な円高となり、米経済指標の弱さも相まって、金曜日には日経平均株価が一時前日比で2,246円超下げ、終値は2,216円安と1987年のブラックマンデー時(3,836円)に次ぐ大幅下落となる大波乱となりました。
7月後半からの外国人売りに拍車がかかった状況で、日本株市場から急激に資金が逃げていき、個人投資家も追随した形となっている。
また、金曜日の夜に発表があった、米雇用統計では非農業部門雇用者数(NFP)が予想を大きく下回り、失業率も悪化したことで、米国のダウ、S&P500、ナスダック100とも大幅安となり、米国株市場のリスク回避の雰囲気が強まっている。
そんな中、今週は米国株市場の大幅下落と、更なる円高が打撃となり、週初は大幅な続落が想定されます。
為替は中東の地政学リスクが高まっており、更なるリスクオフとなれば、米ドル売り・円買いがが加速しやすいことにも注意が必要です。
今週は引き続き日米の決算発表がありますが、このような状況では好決算が発表されてもなかなか買いが入りづらい状況にありますが、売りが一巡すれば好決算企業に注目するのは長い目でみれば買いとなるでしょう。
また、円安で苦しんできた企業にとって円高は歓迎するはずで、円高で恩恵を受ける企業にも注目してよいかもしれません。
さて、日経平均株価のチャート分析にはります。
【日経平均株価(日足チャート)】
※移動平均線は、25日(紫色)、75日(赤色)、200日(青色)を表示
※RSIのパラメータ値は14
200日の移動平均線も下回ったことで中長期的にも下落局面となっており、更なる下落を示唆しています。
ただ急激な下落により、RSIは20%まで下がっており、売られ過ぎの水準にあって一時的に上昇する可能性が高くなっていますが、パニック売りが発生している間はこの20%も機能しなくなります。
更なる下落のサポートとしては、年始の33,000円辺りとなります。
上値は、200日移動平均線がレジスタンスラインとして意識されるところです。
中長期的にも、下落トレンドに突入した可能性が高くなっています。
因みに、2020年3月のコロナショックの時は、200日移動平均線を下回ってから、200日移動平均線を回復するまでに約3カ月半かかっていますが、今回は状況が違うため長期化することも予想されます。
<上昇要因>
・日米の良好な決算発表
・米国の9月利下げ観測
・RSIなどオシレーター系指標において全て売られる過ぎの水準に
<下落要因>
・外国人投資家の売り継続
・更なる急激な為替変動(円高方面)
・中東情勢による地政学的リスク
・25日、75日、200日移動平均線を下回っている