【日本株】トランプリスクへの警戒感がある中、38000円近辺のレジスタンスラインを超えられるかがカギ

先週は引き続きトランプ米大統領の関税政策に対する先行き不透明感に翻弄され、投資家の警戒感は上がる一方で、VIX指数(恐怖指数)も昨年12月以来の高水準まで上昇したことで、株式市場は軟調に推移しました。
日経平均株価は、先々週にレンジを下回ったことで38000円近辺のレジスタンスラインが壁となっており、このラインを超えるかが目先は焦点となりそうです。
先週7日に米労働省が発表した雇用統計は、非農業部門雇用者数は15万1000人の増加で、伸びは前月から加速したもののエコノミスト予想の16万人増を下回りました。
また、失業率は4.1%と、1月の4.0%から上昇。
やや弱い数値となり、為替も一時146円台の円高となりました。
株式市場は大きな波乱にはなりませんでしたが、米国ではトランプ大統領が打ち出す関税などの政策が背景となって景気減速への懸念がでており、今後、米国経済を支える雇用環境が悪化しないかどうかが注目されます。
今週は、引き続きトランプ政権の関税政策を睨みながらの相場展開になりそうです。
関税を巡る状況が二転三転するなど、予測不能な状況が懸念につながっており、引き続きリスクオフが続く可能性が高い。
米国では、12日に消費者物価指数(CPI)、13日に卸売物価指数(PPI)の発表が控えており、要注目です。
また、日本では14日には、メジャーSQがあり、トランプ政権の関税政策などによって相場が荒れる局面では、ヘッジに伴う売買が活発になることから、先物主導で大きく値動きする展開も考えられるので、短期的に注意が必要になります。
さて、日経平均株価のチャート分析にはります。
【日経平均株価(日足チャート)】
※移動平均線は、25日(紫色)、75日(赤色)、200日(青色)を表示。
※RSIのパラメータ値は14。売られ過ぎ20%、買われ過ぎ80%で表示。
日経平均株価のチャートは、25日、75日、200日移動平均線を下回っており、弱い相場となっています。
38000円近辺のレジスタンスラインが目先上値を抑えることになっているが、ここを抜けても3本の移動平均線が上値を抑えることに。
下値は、36000円の節目も意識し易いが、この水準での売買はあまりなかったことから、一気に下げることも想定され、その場合9月の安値35000円台中盤が目安となります。
RSIは50%以下で推移しており、弱い相場であることが良くわかります。20%~30%あたりまで一気に下がれば、反転の可能性も出てきます。
<上昇要因>
・RSIは20~30%まで下落し売られ過ぎの水準になれば反転も
・防衛関連株への資金流入
<下落要因>
・トランプ大統領の関税政策によるリスク
・ウクライナ情勢など米国外交懸念
・3本の移動平均線の下で推移
・急激な円高