一目均衡表

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トレンド系海外トレーダーにも有名!「一目均衡表」

一目均衡表

一風変わってる一目均衡表は、ローソク足と同様日本で考案され、国内外問わず人気のトレンド系テクニカル指標です。将来の価格予測に非常に優れた理論を持っており、緻密な分析ができる指標です。 短期向けというよりは、トレンドが続きやすい中期以上で威力を発揮します。

1.一目均衡表とは?

一目均衡表は、1936年頃に細田悟一氏(ペンネーム:一目山人)が発表したといわれています。転換線・基準線・先行スパン(2本)・遅行スパンの5本線を使用するため、一見難解なイメージもありますが、計算方法もシンプルで、しっかりと使い方を理解すれば、比較的誰でも使える便利な指標です。

一目均衡表を構成する5本の線

■基準線
当日を含む過去9日間の最高値と最安値の平均を算出し、複数の数値をつなぎ合わせて表示させた線が「転換線」です。転換線が上向きであれば上昇が強い、下向きであれば下落が強いと判断することができ、相場の短期的な方向性を示します。
※9という数値は一目均衡表の基本数値です。

①基準線=(当日を含めた過去26日間の最高値+最安値)÷2

■転換線
当日を含む過去9日間の最高値と最安値の平均を算出し、複数の数値をつなぎ合わせて表示させた線が「転換線」です。転換線が上向きであれば上昇が強い、下向きであれば下落が強いと判断することができ、相場の短期的な方向性を示します。
※9という数値は一目均衡表の基本数値です。

②転換線=(当日を含めた過去9日間の最高値+最安値)÷2

■先行スパン1、先行スパン2
将来の値動きを予測するのに用いられるのが「先行スパン」です。先行スパン1は基準線と転換線の平均値を26日先行して表示させたもので、先行スパン2は過去52日間の最高値と最安値の平均値を26日先行して表示させたものとなります。

③先行スパン1={(転換値+基準値)÷2}を26日先行させて表示
④先行スパン2={(当日を含めた過去52日間の最高値+最安値)÷2}を26日先行させて表示

■遅行スパン
一目均衡表の中でも、最も重要な要素といわれているのが「遅行スパン」です。当日の終値を26日前、つまりチャートの左側に遅行させて表示します。当日の価格と26日前の価格を比較することになるため、遅行線がローソク足よりも上に表示されていれば上昇が強い相場、下に表示されていれば下落が強い相場と判断することができます。

⑤ 遅行スパン= 当日の終値を26日遅行させて表示

一目均衡表で重視しているのが高値と安値の中間値(半値で計算)で、基準線、転換線、先行スパン1,2の4本の計算式で使われています。 移動平均線は終値を重視していますね。

2.一目均衡表の使い方

移動平均線に似た転換線と基準線

一目均衡表において転換線と基準線は、それぞれ短期と中期の移動平均線的な役割となっています。使い方も同様で、以下のようになります。

①特に、中期な方向を示す「基準線」が重要で、上向きの場合は上昇トレンド、下向きの場合は下落トレンドと判断します。 また、上向きの基準線の上にローソク足がある場合は上昇の勢いが強いこと、下向きの基準線の下にローソク足がある場合は下落の勢いが強いことを示します。

②基準線が上向きの状態で、転換線が基準線の下から上へ抜ける(ゴールデンクロス)を「好転」といい買いシグナルとなり、逆に基準線が下向きの状態で転換線が基準線の上から下へ抜ける(デッドクロス)を「逆転」といい、売りシグナルとなります。

先行スパンと雲

将来の値動きを予測するのに用いられるのが「先行スパン」です。先行スパン1と先行スパン2に挟まれたゾーンのことを「雲(抵抗帯)」と呼び、「雲」とローソク足との位置を見るだけで、相場の動向を確認することができ、主な使い方は以下となります。

① ローソク足が雲の上方にあれば上相場、下方にあれば下落相場と判断します。

② ローソク足が雲を下から上に突破した場合は上昇サインで 「好転」、逆にローソク足が雲を上から下に突破した場合は下落サインとなり「逆転」になります。

③先行スパンが上値、下値の抵抗線となります。また、将来の抵抗線が価格予測にも役立ちます。

雲は抵抗帯の名のとおり、厚い場合は突破には時間を要し、薄い場合は、影響が少ないので抜けやすいですね!
●ヒストグラムのボトムアウトが買いポイント、ピークアウトが売りポイントという見方ができますが、反応が早い分、ダマシが多いため参考程度に。

とても重要な遅行スパン

遅行スパンは当日終値を26日逆行させただけの単純なものですが、一目山人は最も重要なラインと言っており、相場の大きな転換を示すとされています。

遅行線がローソク足を上回った場合を「好転」(買いシグナル)、逆に下回った場合を「逆転」(売りシグナル)と判断します。

最強、三役好転(三役逆転)

3つの好転(逆転)が揃うと、非常に強い買いシグナル(売りシグナル)なります。

■三役好転(強い買いシグナル)

・ 転換線>基準線 ・ローソク足>雲 ・遅行線>ローソク足

■三役逆転(強い売りシグナル)

・転換線<基準線 ・ローソク足<雲 ・遅行線<ローソク足

上記の例では、時系列的に、買②の好転ではじめて「三役好転」となり、非常に強い買いシグナルと判断します。

3.一目均衡表の三大理論

三大理論とは?

一目均衡表の三大理論とは、「時間論」、「値幅観測論」、「波動論」の3つの理論のことで、未来に記載されている先行スパンや、過去に記載される遅行スパンなど、他のテクニカル指標と比較して特徴的な形を表す一目均衡表は、この三大理論をベースにつくられています。

時間論について

多くのテクニカル指標は、価格そのものや、価格の動きが主な要素となっていますが、一目均衡表というのは、「時間」という要素が含まれています。

時間論とは、相場のトレンドや安値から次の高値までの期間、相場の転換までの期間といった、「相場の変化(変化日)」は、ある程度の数値の組み合わせのサイクルによって形成されているというのが、一目均衡表の考え方です。

一目均衡表では、特に重要な基本数値として、「9・17・26」の3つの数字が使われています。

【単純基本数値】

9

17(9×2-1)

26(9×3-1)

数字自体に意味があり、相場と時間の関係を見ていく上で重要な要素です。 この数値が、転換線と基準線、雲を形成するための先行スパン1・2、遅行スパンに用いられています。

上記の例では、9日間と26日間で高値、安値を付けており、基本数値は相場の転換点と予測できるため、売買タイミングの参考としましょう!

値幅観測論について

「値幅観測論」は、それまでの相場の動きから、このあとの株価がどれくらい上昇するのか、どれくらい下落するのかを予測する計算の理論のことです。 保有している銘柄が「どの程度まで上昇するのか、下落するのか」の目安として利用できます。 「時間論」と組み合わせることによって、「どのくらいの時期に、どの程度まで株価が変動するのか」を予測することができます。

直近の高値や安値を使い、N計算値、V計算値、E計算値、NT計算値と、大きくわけて4種類の計算方法があります。

【N計算値】

値幅で最もポピュラーな「N計算値」は、上昇トレンドの場合、上昇幅と同じぶん、反発後に株価上昇するという計算方法です。下落トレンドでは、反落した地点から、その前の下落幅まで、株価が下落するとなります。

【V計算値】

「V計算値」は、上昇トレンド時は、下げた分の価格だけ、反落した高値から上昇する計算方法です。下落トレンドの場合は、反発後の上げ幅と同じ価格が直近の安値を起点として下落するように計算します。

【E計算値】

「E計算値」は、上昇トレンドの場合、上昇幅と同じように、そのまえの高値から上昇するという計算方法で、下落トレンドの場合、その前の下落分が、その前の安値から下落するという考え方です。

【NT計算値】

「NT計算値」は、NT計算値は、上昇トレンドであれば、下落からの反発点から、上昇の開始点までの価格が、その反発開始点から上昇するという計算をします。下落トレンドであれば、上昇からの反落点から下落の開始点までの価格が、その反落始点から下落すると計算します。

波動論について

均衡表の「波動論」は、この価格変動によって自然に生まれる「波動」の形やパターンによって、相場を分析する方法です。 相場は上がったり下がったり波を形成しながら価格が推移していきます。 ※波動論については、エリオット波動理論などもあります。

一目均衡表では、基本波動と言われる、「I波動」「V波動」「N波動」と、複雑な形をして「P波動」「Y波動」が有名です。

一目均衡表の波動論は、「すべての波動はN波動に集約される」と考えられるため、現在の相場のなかで、N波動を発見し、現時点がどの状態にあるのかを考えることがとっても重要!

4.一目均衡表のまとめ

●将来の価格の予測に非常に役立つ、トレンド系のテクニカル指標で、中期以上で威力を発揮する。
●転換線・基準線・先行スパン(2本)・遅行スパンの5本線を使用し、転換点、売買のタイミングをはかる。
●3つの好転(逆転)が揃うと、非常に強い買いシグナル(売りシグナル)なる。
●一目均衡表は、三大理論である「時間論」、「値幅観測論」、「波動論」をベースにつくられている。

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