【日本株】中東リスクが上値抑制、神経質な展開継続。
<先週の動き>
先週は、中東情勢の緊迫化を背景とした地政学リスクの高まりを主因に、週初から大幅下落となる波乱の展開となった。日経平均株価は一時前週末比で大きく下げ、心理的節目である51,000円を割り込むなど、投資家のリスク回避姿勢が急速に強まった。
背景には、イランのウラン関連施設が米国およびイスラエルの攻撃を受けたとの報道があり、中東情勢の一段の悪化懸念が市場心理を冷やした。これに伴う原油価格の上昇はインフレ圧力の高まりや米金利上昇への警戒感につながり、株式市場の下押し要因となった。
また、イランに対する圧力を巡る軍事行動の予告期限が度々変更されるなど、情勢の先行き不透明感が強まったことも投資家の不安心理を増幅させた。加えて、為替市場では円高方向への動きがみられ、輸出関連株を中心に売り圧力が強まった。
週後半にかけても積極的な買いは手控えられ、短期的な自律反発の動きはみられたものの、戻りは限定的にとどまった。VIX指数(恐怖指数)の上昇に象徴されるように、市場ではリスク回避姿勢が継続し、資金は安全資産へとシフトする動きが続いた。
この結果、日経平均株価は週を通じて軟調に推移し、外部環境に大きく左右される中で、リスクオフ色の強い1週間となった。
<今週の動き>
今週の東京株式市場は、週初こそ堅調なスタートとなった。3日(金)に発表された3月の米雇用統計が市場予想通り底堅い内容となり、波乱なく通過したことが安心材料となった。
もっとも、米国・イスラエルとイランの軍事衝突激化への懸念は根強く、上値は抑えられる展開となっている。
トランプ米大統領は5日、ホルムズ海峡開放を巡るイランとの交渉期限について「7日夜」(日本時間8日)と説明し、従来の期限から延長した。
また、SNSには、説明なく「米東部時間7日午後8時(同8日午前9時)」とだけ書き込んだ。
交渉の進展は依然として不透明であり、市場では先行き不確実性の高さが意識されている。
こうした中、日本株は引き続きトランプ大統領の発言に振らされる場面も見られるものの、度重なる期限延長を受け、市場の関心は徐々にイラン当局や要人の動向へとシフトしているとみられる。
今週の米国経済指標では、10日(金)に発表される3月の消費者物価指数(CPI)が注目される。
中東情勢を背景としたエネルギー価格の上昇がインフレ指標にどの程度反映されるかが焦点となり、結果次第では金利動向を通じて株式市場にも影響を与える可能性がある。
【日経平均株価(日足チャート)】
※移動平均線は、25日(緑色)、75日(赤色)、200日(紫色)を表示。
※RSIのパラメータ値は14。売られ過ぎ20%、買われ過ぎ80%で表示。
日日経平均株価は、足元では200日移動平均線を上回って推移しており、長期的な上昇トレンドは維持されている。一方で、75日移動平均線を下回る状況が続いており、25日移動平均線とのデッドクロス形成には注意が必要である。足元では今週中にもデッドクロスが発生する可能性が意識されている。
目先の下値目処としては心理的節目である50,000円が意識され、これを明確に下抜けた場合には、200日移動平均線付近の47,500円前後が次の下値水準として想定される。
オシレーター系指標であるRSIは依然として低下余地を残しており、短期的には下押し圧力が継続する可能性がある。特に50%を下回る水準は相場の弱さを示唆している。
もっとも、足元の下落は値幅としては大きいものの、騰落率の観点では過度な売られ過ぎ感は乏しく、テクニカル面からはなお調整余地が残されていると考えられる。
<上昇要因>
・中東情勢の緊張緩和や交渉進展による地政学リスク後退期待
・VIX指数の低下局面に伴う自律反発(リバウンド)余地
・新年度入りに伴う継続的な国内機関投資家(年金・投信等)の資金流入期待
<下落要因>
・中東情勢の緊迫化による更なる地政学リスクの高まり
・原油価格上昇を通じたインフレ圧力および米金利上昇への警戒感
・急激な円高進行による輸出関連株への下押し圧力






