【日本株】円高と決算ラッシュ、AI・半導体株の底力を試す一週間
<先週の動き>
先週、前半は、SKハイニックスやサムスン電子などアジアの半導体関連株が軟調に推移したことに加え、AI投資の過熱感や収益性への懸念が意識され、AI・半導体関連株を中心に利益確定売りが優勢となった。
キオクシアホールディングスなど値動きの大きい半導体関連銘柄が日経平均株価の重しとなり、投資家心理は慎重なものとなった。
週後半には、マイクロソフトをはじめとする米主要ハイテク企業がAI関連事業の好調さを背景に市場予想を上回る決算を発表し、AI向け設備投資を積極的に継続する姿勢を示したことから、世界的に半導体関連株への見直し買いが広がった。
これを受けて東京市場でもアドバンテストや東京エレクトロン、キオクシアホールディングスなどAI・半導体関連銘柄が大きく反発し、日経平均株価は週末にかけて急速に値を戻した。
週半ばに、FOMCおよび日銀金融政策決定会合が開催され、ともに市場予想通り政策金利は据え置かれた。
ただ、日・米当局による為替介入を受けて円相場が急速に円高へ振れたことが、日本株の上値を抑える要因となっており、注視したい。
<今週の動き>
今週は、日米当局による協調為替介入を受けた円高進行が重しとなり、軟調なスタートとなっている。急速な円高を受けて、日本の輸出企業の収益悪化を懸念した海外投資家の売りが優勢となっている。
前回、4月下旬に実施された為替介入では、ドル円相場が一時1ドル=155円台まで円高が進行した。今回も同水準まで円高が進んでおり、この155円近辺が当面の重要な攻防ラインとなる。この水準を明確に下抜けるようであれば、輸出関連企業の業績懸念が一段と強まり、日本株全体の重しとなる可能性がある。
一方で、先週末に大幅高となったキオクシアホールディングスに加え、アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループなど、日経平均株価への寄与度が高いAI・半導体関連株がリバウンド基調を維持できるかが今週の最大の焦点となる。
米主要ハイテク企業の好決算を背景にAI投資拡大への期待は依然として根強く、関連銘柄への資金流入が続けば、円高によるマイナス要因をある程度吸収する展開も期待される。
また、国内では決算発表がピークを迎え、6日と7日の2日間だけで1,000社を超える企業が決算を発表する予定となっている。
企業ごとの業績や今後の業績見通しに加え、為替前提や設備投資計画、株主還元策などにも市場の関心が集まる見通しだ。
指数全体というよりも、好業績銘柄を選別する個別物色の動きが一段と活発になることが予想される。
【日経平均株価(日足チャート)】
※移動平均線は、25日(緑色)、75日(赤色)、200日(紫色)を表示。
※RSIのパラメータ値は14。売られ過ぎ20%、買われ過ぎ80%で表示。
日経平均株価は、200日移動平均線を上回って推移しており、長期的な上昇トレンドは維持されている。
一方で、25日移動平均線および75日移動平均線を下回って推移していることから、短期・中期的には調整局面が続いている。当面は、75日移動平均線を回復できるかが焦点となり、その後は25日移動平均線が次の上値の目安として意識されよう。
下値の目安としては、まず心理的な節目である60,000円が意識される。この水準を下回るようであれば、長期トレンドの分岐点となる200日移動平均線まで調整が進む可能性があるため、注意が必要だ。
また、オシレーター系指標であるRSIは50%を下回って推移しており、短期的には相場の勢いが弱まっていることを示唆している。ただし、中長期トレンドはなお維持されていることから、75日移動平均線や25日移動平均線を回復できるかが、再び上昇基調へ転換するための重要なポイントとなる。
<上昇要因>
- AI・半導体関連株への買い戻し
- 好調な企業決算と株主還元策
- 円高の一服や為替の安定
<下落要因>
- 円高の一段の進行
- AI・半導体関連株の再調整
- 決算内容への失望売り






