【日本株】米利上げ観測に揺れる日本株、半導体株の反発がカギ

2026.08.31 Mon

【日本株】米利上げ観測に揺れる日本株、半導体株の反発がカギ

<先週の動き>

先週の日本株市場は、エヌビディア決算とジャクソンホール会議という2大イベントをにらみながら、日経平均は方向感に欠ける一方、TOPIXや中小型株には資金が広がった1週間でした。

注目されたエヌビディアの決算は良好な内容となり、27日の東京市場では朝方、AI・半導体関連株を中心に買いが先行。日経平均株価は一時800円超上昇し、67,000円目前まで上値を伸ばした。

しかし、市場の期待が高かったこともあり、その後は利益確定売りが優勢となり、終値では130円安と反落した。「好決算=AI・半導体株全面高」とはならず、決算をきっかけに短期的な利益確定売りも出たことが特徴的でした。

先週のポイントとして特に注目したいのは、日経平均株価以上にTOPIXや中小型株が強かったことです。

週間では日経平均が+0.59%だったのに対し、TOPIX+1.95%、東証グロース市場250指数は+7.12%。AI・半導体など一部の値がさ株だけでなく、金融、サービス、中小型株などへ資金が広がる「循環物色」が鮮明になりました。

 

<今週の動き>

先週末、米連邦準備理事会(FRB)のウォーシュ議長が、カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演し、インフレの高止まりに対する警戒感を示しました。

これを受けて9月の利上げ観測が再び強まり、米金利の先高観が意識されています。週明けの東京市場でも、金利上昇の影響を受けやすいAI・半導体関連株を中心に売りが広がり、日経平均株価は大幅安でスタートしている。

もっとも、AI・半導体関連株については、足元の調整を経て押し目買いが入るかが注目されます。特に、キオクシアホールディングスやアドバンテスト、東京エレクトロンなどが再びリバウンドを強めることができるかを見極めたいところです。一方、これまでの下落によって戻り待ちの売り圧力も強いとみられ、大型のAI・半導体関連株が不安定な値動きを続けるようであれば、相対的に金利上昇の影響を受けにくい銘柄や、中小型のSaaS・ソフトウェア関連株などに資金が向かう展開も想定されます。

また、米国では1日に8ISM製造業景況指数、3日にISM非製造業景況指数、4日には8月雇用統計の発表が予定されています。特に雇用統計は、ジャクソンホール会議を受けて高まった9月利上げ観測を左右する重要な材料となりそうです。

雇用や景況感の強さが改めて確認されれば、FRBによる利上げ観測が一段と強まり、米金利の上昇を通じてAI・半導体など高PER銘柄の重しとなる可能性があります。反対に、経済指標が市場予想を下回れば利上げ観測が後退し、米金利の低下とともにAI・半導体関連株への買い戻しにつながる展開も想定されます。

今週は、米経済指標を受けた「9月利上げ観測と米金利の動向」と、調整が続いた「AI・半導体関連株のリバウンド」が、日経平均株価の方向性を左右する重要なポイントとなりそうです。

【日経平均株価(日足チャート)】

※移動平均線は、25日(緑色)、75日(赤色)、200日(紫色)を表示。

※RSIのパラメータ値は14。売られ過ぎ20%、買われ過ぎ80%で表示。

 

日経平均株価は、200日移動平均線を上回って推移しており、長期的な上昇トレンドは維持されている。

一方、足元では25日移動平均線が75日移動平均線を上から下へ抜ける「デッドクロス」を形成している。ただ、デッドクロス形成後も下落基調が強まる展開とはなっておらず、日経平均株価は25日移動平均線近辺での推移が続いている。短期的には方向感に乏しく、同線を挟んだもみ合い局面にあるとみられる。

下値の目安としては、25日移動平均線を明確に下回り、調整色が強まった場合、7月末に下値をつけた60,000円台前半が次のサポート水準として意識されよう。

一方、反発に転じた場合には、まず75日移動平均線を回復できるかが焦点となる。同線を明確に上抜ければ、先週の高値である70,000円近辺が次の上値目標として意識される。

また、オシレーター系指標であるRSI50%前後で推移しており、現時点では買われ過ぎ・売られ過ぎのいずれにも傾いていない。

RSIからも相場の方向感は乏しく、今後は25日移動平均線を維持できるか、あるいは75日移動平均線を上抜けることができるかが、次の方向性を見極めるうえで重要となりそうだ。

 

<上昇要因>

  • 米利上げ観測の後退と米金利の低下
  • AI・半導体関連株のリバウンド
  • 中小型株への循環物色の継続

 

<下落要因>

  • 米利上げ観測の一段の高まり
  • AI・半導体関連株の調整継続
  • 25日移動平均線の明確な下抜け