【日本株】米利上げ観測に揺れる日本株、半導体株の反発がカギ

2026.09.07 Mon

【日本株】米利上げ観測に揺れる日本株、半導体株の反発がカギ

<先週の動き>

先週の日本株市場は、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ観測の高まりに加え、国内長期金利も大きく上昇したことで、金利動向への警戒感が強まる展開となった。金利上昇による株式の相対的な割高感が意識され、特にPERの高いAI・半導体関連などのグロース株には売り圧力が強まった。

一方、銀行や保険、証券などの金融株には、金利上昇による収益環境の改善期待から買いが入り、相対的に底堅く推移した。

また、米国とイランを巡る緊張の再燃を背景に原油価格が上昇したことも相場の重しとなった。原油高によるインフレ圧力の長期化が意識され、米国の金融引き締めが長期化するとの警戒感につながった。

特に92日は、「原油高インフレ懸念金利上昇」という流れに加え、中東情勢を巡る地政学リスクへの警戒も重なり、投資家のリスク回避姿勢が強まったことで、日経平均株価は大幅に下落した。

週を通じてみると、日米の金利上昇と中東情勢への警戒から週半ばにかけて大きく調整したものの、週末にはAI・半導体関連株を中心に押し目買いや買い戻しが入り、下げ幅を縮小した。金利上昇への警戒が相場の重しとなる一方、下値では一定の買い需要も確認された1週間だった。

<今週の動き>

今週の日本株市場は、前週末にフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%を超えて上昇したことを受け、AI・半導体関連株を中心に買いが先行している。

一方、相場の上値を抑える要因として警戒したいのが、国内外の金利上昇と為替動向だ。国内では91日に新発10年国債利回りが3%台に上昇し、約30年ぶりの高水準を記録した。金利上昇が続けば、株式の相対的な割高感が意識され、特にPERの高いグロース株などには重しとなる可能性がある。

為替市場では、米ドル/円が155円台まで円高・ドル安が進む場面もみられている。円高が一段と進行すれば、自動車や電機、機械など輸出関連企業の業績に対する警戒感が高まり、日本株全体の上値を抑える要因となろう。

米国では、先週末に発表された8月雇用統計が市場予想を大幅に上回り、労働市場の底堅さが改めて確認された。これを受けてFRBによる9月利上げ観測が高まり、0.25%の利上げを織り込む確率は6割程度まで上昇している。

こうしたなか、今週最大の注目材料となるのが米国のインフレ指標だ。10日に8月の生産者物価指数(PPI)、11日には8月の消費者物価指数(CPI)が発表される。特にCPIが市場予想を上回れば、9月利上げの可能性が一段と高まり、米長期金利の上昇を通じて米国のハイテク・グロース株への売り圧力が強まる可能性がある。その場合、日本のAI・半導体関連株にも売りが波及する展開には注意したい。

一方、CPIが市場予想を下回り、インフレ鈍化が確認されれば、利上げ観測が後退するとともに米金利が低下し、AI・半導体関連株を中心にリスク選好が強まる可能性もある。

足元ではAI・半導体関連株への買い戻しが相場をけん引しているものの、国内外の金利上昇や円高が上値を抑える要因として残っている。さらに翌週には91516日のFOMCを控えていることから、週後半にかけては積極的に上値を追いにくくなることも想定される。

したがって今週は、AI・半導体関連株のリバウンドが相場を下支えする一方、米インフレ指標を受けた利上げ観測や長期金利、為替の動向に左右される展開となり、日経平均株価は上値の重いもみ合いを想定する。

 

【日経平均株価(日足チャート)】

※移動平均線は、25日(緑色)、75日(赤色)、200日(紫色)を表示。

※RSIのパラメータ値は14。売られ過ぎ20%、買われ過ぎ80%で表示。

 

日経平均株価は、200日移動平均線を上回って推移しており、長期的な上昇トレンドは維持されている。

一方、足元では25日移動平均線が75日移動平均線を上から下へ抜ける「デッドクロス」を形成しており、短期・中期的には弱気シグナルが点灯している。ただし、今後、日経平均株価が25日・75日移動平均線を明確に上回り、その水準に定着することができれば、今回のデッドクロスが「ダマシ」となる可能性も高まろう。

したがって、今週は25日・75日移動平均線を上抜けることができるかが、相場の方向性を見極めるうえで一つの重要なポイントとなる。両移動平均線を明確に上抜ければ、上昇基調が再び強まり、心理的な節目である70,000円が次の上値目標として意識されよう。

一方、25日・75日移動平均線に上値を抑えられ、再び下落基調が強まる場合には、まず直近安値が下値の目安となる。さらにその水準を割り込むようであれば、心理的な節目である60,000円が次のサポート水準として意識される展開も想定される。

また、オシレーター系指標であるRSI50%前後で推移しており、現時点では買われ過ぎ・売られ過ぎのいずれにも傾いていない。RSIからも明確な方向感は確認できておらず、今後は25日・75日移動平均線を上抜けて定着できるか、それとも両移動平均線に上値を抑えられるかが、次のトレンドを見極めるうえで重要となりそうだ。

 

<上昇要因>

  • AI・半導体関連株のリバウンド継続
  • CPIの下振れによる利上げ観測の後退
  • 25日・75日移動平均線の明確な上抜け

 

<下落要因>

  • CPI上振れによる利上げ観測の高まり
  • 国内金利の一段の上昇
  • 円高進行による輸出関連株への売り