RCI
RCI(Rank Correlation Index)は、一定期間における日付の順位と価格の順位を決め、その相関関係を表示したもので、RSI同様のオシレーター系テクニカル指標で、買われ過ぎなのか売られ過ぎなのかを判断します。
1.RCIとは?
日本語では順位相関係数と言うRCIは、日付(時間)と価格それぞれに順位をつけることによって、両者にどれだけの相関関係があるのかを計算し、過熱感や相場のトレンドとその勢いを知ることができます。主にレンジ相場で使い易いのが特長です。
RCIの計算式
RCIを算出する手順として、まずは日付と価格の順位づけを行います。日付については、直近の期間である当日を「1」とし、前日を「2」、前々日を「3」…という形で順位づけします。価格は、期間中の終値が高い順に順位付けします。
そして、次のような式に当てはめてRCIを算出します。
d:日付の順位と価格の順位の差を2乗して合計した値 n:期間
d=0、n=5より、RCIは+100%となります。
d=40、n=5より、RCIは-100%となります。
●RCIは、-100%~100%で推移します。連日高値を更新しているのであれば、数値は100%に近付いていきます。上昇トレンドの中、買われ過ぎ状態に近付いているのです。逆に、連日安値を更新しているのであれば、数値は-100%に近付いていきます。下落トレンドの中、売られ過ぎ状態に近付いているのです。
●パラメータの値は、一般的には”9”を設定する場合が多いです。よって証券会社やFX会社が提供する取引ツールにおいても、RCIのデフォルト値は“9”で設定されています。 但し、”9”では比較的早く売買シグナルが発生するため、中期的に”26”、長期的に”52″で設定する場合もあります。
2.RCIの使い方
まずは相場が買われ過ぎか売られ過ぎかを判断
RCIは-100%~100%の範囲で推移します。まずは、+80%以上だと買われ過ぎで売りを検討するタイミングであり、-80%以下だと売られ過ぎで買いを検討するタイミングとなります。更に、0%を超えた(下回った)タイミングを追随の売買タイミングとして捉えます。
買いシグナル
買①:底値圏から上昇後、-80%ラインを越えたタイミング
買②:RCIが0%を越えたタイミングは強い上昇トレンドであると判断し追随する
売りシグナル
売①:高値圏から下落後、80%ラインを下回ったタイミング
売②:RCIが0%を下回ったタイミングは強い下落トレンドである
●まずは、売られ過ぎ、買われ過ぎの判断として逆張りの売買シグナルとして判断しますが、0%を越えたら追随買い、0%を下回ったら追随売りと判断し、順張りのシグナルとしても威力を発揮。
●売られ過ぎの-100%ラインに接近した後に反転し、上昇し始めたタイミングで買う、逆に買われ過ぎの100%ラインに接近した後反落し、下落し始めたタイミング売るといった手法で売買ができれば、より安値で買い、より高値で売ることが可能。
RCIでトレンドを判断
RCIは買われ過ぎ、売られ過ぎだけを判断するのではなく、0%ラインを中間地点として、トレンドの持続性を判断することができます。
上昇トレンド:RCIが0%以上で推移したら、買方優勢で、数値が大きくなればなるほど更に優勢
下落トレンド:RCIが0%を下回って推移したら、売方優勢で、数値が小さくなればなるほど更に優勢
3.RCIの応用編
2本のRCIによるゴールデンクロスとデッドクロス
RCIは単体で使うのもよいですが、より売買タイミングの精度を上げる一つの方法として、短期と中期(長期)のRCIを重ねて利用するのがおススメです。
買いシグナル
なるべく-80%に近いところで、短期RCIが、中期(長期)RCIを下から上に突き抜けた「ゴールデンクロス」で買います。
売りシグナル
逆に、なるべく80%に近いところで、短期RCIが、中期(長期)RCIを上から下に突き抜けた「デッドクロス」で売ります。
RCIとRSIの違いについて
RCIと似たテクニカル指標にRSIがあります。どちらも「買われ過ぎ、売られ過ぎだけを判断する指標で似たような動きをしますが、異なる点もあります。 RSIでは価格の変動幅を考慮しますが、RCIでは考慮されないため、RCIは急騰時や急落時の反応が鈍いという弱点があります。 逆に、上昇、下落し続けているが変動幅があまりない場合、RCIは売買シグナルは発生しますが、RSIではシグナルが発生しない場合があります。
4.RCIのまとめ
●一定期間における日付の順位と価格の順位を決め、その相関関係を表示したもので、RSIのように値幅は考慮していない。
●基本的にはRCIが80%を超えた場合に買われ過ぎと判断し、-80%を下回った場合は売られ過ぎと判断できるが、逆張りの手法にプラスして、0%を越えた(下回った)タイミングで追随の売買をする順張り手法でも活躍。
●RCIが0%以上で推移したら買方優勢で、0%を下回って推移したら売方優勢と、上昇、下落トレンドを判断するのに有効。
●RCIの利用で精度を上げる一つの方法として、2本の短期RCIと中期(長期)RCIによる、ゴールデンクロス、デッドクロスでの売買がおススメ。