【日本株】エヌビディア決算が試金石、AI・半導体株は反発なるか
<先週の動き>
先週は、週初こそAI・半導体関連株への買いが続き、日経平均株価は69,000円台を回復するなど堅調にスタートした。
しかし、その後は日・米の長期金利上昇や、それまで急ピッチで上昇してきたAI・半導体関連株への利益確定売りが重しとなり、相場は大きく調整する展開となった。
17日には日経平均が69,220.25円まで上昇したものの、18日は1,759円安と急反落した。
特に19日は、前日の米国株安や半導体株への売りが日本市場にも波及し、日経平均株価は3.2%下落して65,326.42円まで下落した。キオクシアホールディングスやソフトバンクグループ、古河電気工業などAI・半導体関連やデータセンター関連の主力銘柄に売りが集中した。米長期金利の上昇に加え、原油高や中東情勢を巡る地政学リスクへの警戒も投資家心理を悪化させた。
一方、週後半には急落の反動から買い戻しの動きも強まった。
20日は米長期金利の低下や海外株高を受け、日経平均株価が約890円上昇し、AI・半導体関連株だけでなく、自動車、不動産、医薬品などにも買いが広がり、相場はいったん落ち着きを取り戻した。
ただ、21日は日経平均株価が小幅に反落した一方、TOPIXは上昇しており、指数間で方向感に違いが見られた。
<今週の動き>
今週は、引き続き米長期金利の動向や中東情勢をにらみながら、神経質な展開が続くと予想する。
最大の注目イベントは、米国時間26日に予定されているエヌビディア(NVDA)の決算発表だ。
旺盛なAI向け半導体需要やデータセンター関連需要の継続に加え、今後の業績見通しが市場の高い期待を上回る内容となるかが焦点となる。
改めてAI市場の成長力が確認されれば、先週大きく調整した日本のAI・半導体関連株にもリバウンド狙いの資金が流入し、日経平均株価を押し上げる可能性がある。
一方、好決算そのものがある程度織り込まれている点には注意が必要だ。決算内容が良好であっても、売上高の伸びや今後のガイダンスが市場の高い期待に届かなければ、「材料出尽くし」として半導体株への売りが再び強まる可能性もある。
また、26日には7月の米個人消費支出(PCE)物価指数が発表される。
FRBがインフレ動向を判断するうえで重視する指標であり、結果次第では米長期金利が大きく変動する可能性がある。
特にインフレ圧力の強さが改めて確認された場合には、金利上昇を通じてPERの高いAI・ハイテク株の重しとなることに注意したい。
さらに、27~29日にはカンザスシティ連銀主催のジャクソンホール経済シンポジウムが開催される。FRBの今後の金融政策に対する姿勢がどのように示されるかが焦点となり、発言内容を受けた米長期金利や為替市場の動向にも注目が集まる。
【日経平均株価(日足チャート)】
※移動平均線は、25日(緑色)、75日(赤色)、200日(紫色)を表示。
※RSIのパラメータ値は14。売られ過ぎ20%、買われ過ぎ80%で表示。
日経平均株価は、200日移動平均線を上回って推移しており、長期的な上昇トレンドは維持されている。
一方、足元では25日移動平均線が75日移動平均線を上から下へ抜ける「デッドクロス」を形成しており、短期・中期的には相場の弱さを示唆するシグナルが点灯している。
今週は、このデッドクロスが本格的な調整局面入りを示すシグナルとなるのか、それとも「ダマシ」に終わり、日経平均株価が再び25日・75日移動平均線を上回ることができるのかが重要なポイントとなる。
下値の目安としては、デッドクロスを受けて調整が一段と進んだ場合、7月末に下値をつけた60,000円台前半が意識されよう。この水準を維持できるかが、中長期的な上昇トレンドを保つうえでも重要となる。
一方、反発に転じた場合には、まず25日・75日移動平均線の回復が焦点となり、その水準を明確に上抜ければ、先週の高値である70,000円近辺が次の上値目標として意識される。
また、オシレーター系指標であるRSIは50%前後で推移しており、現時点では買われ過ぎ・売られ過ぎのいずれにも傾いていない。
方向感に乏しい状態にあることからも、今週は25日・75日移動平均線を巡る攻防が、今後の相場の方向性を見極めるうえで重要となりそうだ。
<上昇要因>
- エヌビディアの好決算によるAI・半導体株の反発
- 米PCEの鈍化による長期金利の低下
- 25日・75日移動平均線の回復による投資家心理の改善
<下落要因>
- エヌビディア決算への失望・材料出尽くし
- 米長期金利の一段の上昇
- 中東情勢の悪化と原油高






