【日本株】AI・半導体株は正念場、物色の広がりが相場のカギ
<先週の動き>
週初は、前週末の米半導体株安を受け、これまで相場を牽引してきたAI・半導体関連銘柄に利益確定売りが広がった。短期間で急騰していたことから、高値警戒感やテクニカル面での過熱感も意識され、日経平均株価は一時調整局面入りした。
週後半は、7月2日に前倒しで発表される米6月雇用統計を控え、積極的な売買はやや手控えられた。
市場では米長期金利やFRBの金融政策の方向性を見極めたいとの姿勢が強まり、AI・半導体関連株を中心に神経質な値動きとなった。
総じて先週は、高値警戒感からAI・半導体関連株に利益確定売りが入る一方、景気敏感株やバリュー株への資金シフトが見られるなど、相場の物色対象が徐々に広がり、日経平均株価が急落する局面でも、東証プライム市場の騰落銘柄数は値上がりが多い状況だった。
日経平均株価は依然として高値圏を維持しており、中長期的な上昇トレンドに大きな変化はないものの、今後はAI・半導体関連株の調整が一時的なものにとどまるか、あるいは物色の中心が他セクターへ移るかが注目される。
<今週の動き>
今週は、これまで相場を牽引してきたAI・半導体関連株に一服感が見られる中、バリュー株や出遅れ銘柄、内需関連などへの物色が広がるかが注目される。
米国では先週末に発表された6月雇用統計が市場予想を下回り、FRBによる追加利上げ観測が後退した。
これを受けて米長期金利は低下し、AI関連をはじめとするグロース株にとっては追い風となる環境が続いている。
もっとも、AI・半導体関連株については、これまでのような急ピッチな上昇の勢いにはやや一服感が見られる。
目先の調整が一時的なものにとどまるのか、それとも本格的なトレンド転換へと発展するのかを見極める重要な局面にある。
もし、AI・半導体関連株が韓国のSKハイニックスやサムスン電子を含めて本格的な調整局面入りとなれば、市場全体のリスクオフ姿勢が強まり、循環物色の流れも鈍化する可能性がある。
そのため、引き続き世界のAI・半導体関連株の動向が日本株市場全体の方向性を左右する展開となりそうだ。
また、8日に公表予定のIMF世界経済見通しも注目材料となる。日本の経済成長率が上方修正されれば、海外投資家による日本株への資金流入が一段と強まる可能性がある。
ただし、現時点では相場が一方向に大きく上昇するというよりも、日経平均株価は25日移動平均線を挟みながら、神経質な値動きが続く展開を予想する。
【日経平均株価(日足チャート)】
※移動平均線は、25日(緑色)、75日(赤色)、200日(紫色)を表示。
※RSIのパラメータ値は14。売られ過ぎ20%、買われ過ぎ80%で表示。
日経平均株価は、75日・200日移動平均線のすべてを上回って推移しており、中期・長期の上昇基調は維持されている。
もっとも、足元では調整局面に入っており、まずは25日移動平均線を維持できるかが目先の焦点となる。
仮に同線を明確に下抜けた場合には、心理的節目である65,000円や75日移動平均線付近まで調整が進む可能性も視野に入れておく必要がある。
一方、オシレーター系指標であるRSIは60%を下回る水準まで低下しており、これまで意識されていた短期的な過熱感は概ね解消されつつある。
今後は売り一巡後に押し目買いが入りやすい環境へ移行するかが注目される。
相場が再び上昇基調へ転じた場合には、先々週付けた高値である72,700円近辺が当面の上値目標として意識されるだろう。
この水準を明確に上抜けることができれば、日経平均株価は再び高値更新を試す展開となる可能性がある。
<上昇要因>
- 米雇用統計の下振れを受けたFRBの追加利上げ観測後退、米長期金利低下
- AI・半導体関連株の調整一巡による買い戻し期待
- IMF世界経済見通しで日本の成長率が上方修正された場合の海外投資家による日本株買い期待
<下落要因>
- AI・半導体関連株の調整長期化によるリスクオフ姿勢の強まり
- SKハイニックスやサムスン電子など海外半導体株の下落波及
- 日経平均株価が25日移動平均線を下回った場合のテクニカル悪化懸念






