【日本株】新年度相場に期待も、中東リスクで急落、VIX上昇下で不安定な展開続く。
<先週の動き>
先週は、中東情勢を巡る地政学リスクや原油価格の動向など外部環境に左右されやすい展開となる中、配当権利取りに伴う需給要因が下支えとなり、底堅さも意識される展開となった。
週初は、イラン情勢の不透明感や原油価格の高止まりを背景に投資家のリスク回避姿勢が強まり、上値の重いスタートとなった。米金利動向や為替市場の不安定な動きも重しとなり、積極的な買いは手控えられた。
その後も、海外要因を巡る警戒感から方向感に欠ける推移が続いたが、週後半にかけては配当権利付き最終売買日(27日)を控え、高配当利回り銘柄を中心に配当取りを目的とした買いが入り、相場の下値を支えた。特に金融株やエネルギー関連など、配当妙味のある銘柄群への資金流入が目立った。
一方で、原油価格の変動や中東情勢の行方、為替の円高方向への振れなどは引き続き上値を抑える要因となり、相場の上昇余地は限定的にとどまった。
この結果、日経平均株価は一進一退の値動きとなりつつも、配当需給を背景に下値は堅く、全体としてはもみ合い基調の1週間となった。
<今週の動き>
今週の東京株式市場は、週初から大幅下落でスタートした。日経平均株価は前週末比で一時2,800円超下落し、心理的節目である51,000円を下回る場面もみられた。
背景には、中東情勢の緊迫化がある。イランのウラン関連施設が米国およびイスラエルの攻撃を受けたと27日に伝わり、地政学リスクへの警戒感が急速に高まった。これに伴う原油価格の上昇が投資家心理を冷やし、リスク資産である株式からの資金流出が強まった。
また、イランに対する圧力を巡る発電所攻撃の予告について、当初「48時間以内」とされた期限が段階的に延期され、最終的には4月6日(日本時間7日午前)まで先送りされるなど、情勢の先行き不透明感が一段と強まった。交渉の具体像が見えない中、市場では不確実性の高まりがネガティブに意識されている。
今週は、米国で発表される雇用統計が重要なイベントとして注目される。
新年度入りに伴う資金流入への期待はあるものの、中東情勢を巡る不透明感が払拭されない限り、年金などの長期資金は様子見姿勢を維持する可能性が高い。
一方で、VIX指数(恐怖指数)は30を上回る水準にあり、市場が強い不安状態にあることを示している。短期的には株価の下振れリスクが高い状況が続くものの、過去の傾向からは中長期的な観点では押し目買いの機会と捉える余地もある。
【日経平均株価(日足チャート)】
※移動平均線は、25日(緑色)、75日(赤色)、200日(紫色)を表示。
※RSIのパラメータ値は14。売られ過ぎ20%、買われ過ぎ80%で表示。
日経平均株価は、足元では200日移動平均線を上回って推移しており、長期的な上昇トレンドは維持されている。一方で、75日移動平均線を下回る状況にあり、25日移動平均線とのデッドクロス形成には注意が必要である。
目先の下値目処としては心理的節目である50,000円が意識され、これを明確に下抜けた場合には、200日移動平均線付近の47,500円前後が次の下値水準として想定される。
オシレーター系指標であるRSIは依然として低下余地を残しており、短期的には下押し圧力が継続する可能性がある。特に50%を下回る水準は、相場の弱さを示唆している。
もっとも、足元の下落は値幅としては大きく見えるものの、騰落率の観点では過度な売られ過ぎ感は乏しく、テクニカル面からはなお調整余地が残されていると考えられる。
<上昇要因>
・日米首脳会談の結果を巡る国内外での評価改善
・イラン情勢の早期沈静化観測を背景とした原油価格の下落
・配当権利取りを目的とした買い需要の高まり
<下落要因>
・イラン情勢の不透明感継続や長期化懸念を背景とした原油価格の上昇
・為替市場における急速な円高進行





