【日本株】ハイテク株中心に上昇も、過熱感から調整が意識されそう

先週は前半、米国がイランの核施設を攻撃して、中東情勢の緊迫化を警戒した流れから始まったものの、イスラエルとイランの停戦合意への期待からリスク選好ムードが広がり、上昇し、25日移動平均線が200日移動平均線を下から上に突き抜けるゴールデンクロスも発生したことで、更に上昇に勢いがつき、根強いAI需要や米国の利下げ期待で、エヌビディアをはじめとする米ハイテク株が再び日米の相場をけん引し、日経平均株価は27日に4万円台を回復し、非常に強い相場になりました。
米国の金融政策をめぐっては、ボウマン副議長の発言をきっかけに早期の政策金利の引き下げ期待が急浮上しており、7月30日のFOMCでの利下げも可能性として出てきています。
今週も上昇で始まり、引き続きアドバンテスト(6857)などの半導体株への資金流入がありそうですが、急ピッチの上昇に対する過熱感が警戒されるほか、国内における配当再投資による需給要因が一巡することで、高値警戒感から調整が意識されそうです。
米経済指標では、7月1日に「6月ISM製造業景況指数」、2日に「6月ADP雇用統計(前月比)」、3日に「6月雇用統計」、「5月製造業新規受注(前月比)」、「6月ISM非製造業景況指数」があり、
7月4日(金)は米国独立記念日で休場となります。
来週、7月9日にはトランプ政権による相互関税の一時停止期限を迎えます。
ホワイトハウスのレビット報道官は「おそらく期限が延長される可能性はある」と言及しましたが、直近では、トランプ氏が期限延長は必要なく、日本車に不満があることを表明しており、要人発言には注視が必要です。
さて、日経平均株価のチャート分析にはります。
【日経平均株価(日足チャート)】
※移動平均線は、25日(紫色)、75日(赤色)、200日(青色)を表示。
※RSIのパラメータ値は14。売られ過ぎ20%、買われ過ぎ80%で表示。
日経平均株価は先週、注目していた25日移動平均線が200日移動平均線を下から上に突き抜けるゴールデンクロスが発生しました。
株価が各移動平均線からかなり乖離しており、RSIも70%を超えて、80%近くまで上昇しており、窓も3つありあるため過熱感から、調整してもおかしくありません。
ただ、まだまだ勢いが続く場合は、昨年7月につけている42000円超えも視野に入ってきます。
調整した場合は、40000円の節目が一つポイントとなります。
ネガティブサプライズな出来事があった場合などは、各移動平均線をサポートとして考えます。
<上昇要因>
・7月FOMCの利下げ期待
・ハイテク株関連を中心とした堅調な米国株市場
・先週の25日と200日のゴールデンクロス
<下落要因>
・RSIが80%近くまで上昇、過熱し過ぎ
・中東の地政学的リスク(再攻撃など)
・トランプ関税の不確実性、トランプ発言
・急激な高水準になった場合(140円を下回るなど)